相続放棄をした場合の固定資産税の支払い
1 相続放棄をした場合でも固定資産税を支払う必要がある場合がある
相続放棄を行った場合、土地や建物などの遺産を相続しなかったこととなり、原則、固定資産税を支払う必要はなくなります。
もっとも、例外的に、相続放棄をした場合であっても、固定資産税を支払わなければならなくなる可能性もありますので、注意が必要です。
2 相続放棄をした場合でも固定資産税の納税通知が来る理由
そもそも固定資産税の納税義務を負うのは、課税年度の1月1日に、固定資産課税台帳(所有者ごとの資産を一覧表にした帳簿)に記載された人となります(固定資産税の詳細等については、以下の総務省のホームページもご確認ください。)
参考リンク:総務省・固定資産税の概要
そのため、固定資産税の納税通知については、1月1日に課税台帳に登録されている者に対して発送されることになり、仮に、所有者が1月1日時点ですでに亡くなっている場合は、その相続人に対して、固定資産税の納税通知が送られることになります。
また、固定資産税の通知を発送する市区町村としては、所有者の相続人が相続放棄をしたのかどうかについては、基本的に知りません。
よって、たとえ相続放棄を行った場合であっても、市区町村としては、当該相続人が相続放棄をしたかどうかは知らないので、固定資産税の納税通知を送ることがあります。
3 相続放棄をした場合でも固定資産税を支払う可能性がある場合
ここで注意点として、相続放棄をした時期によっては、相続放棄をしたとしても、固定資産税を支払わなければならない可能性があります。
たとえば、被相続人が令和6年12月20日に亡くなった場合で、相続放棄が完了したのが、令和7年1月20日だったとします。
この場合、当該相続人については、令和7年1月1日時点では、相続放棄が完了していないため、被相続人の相続人として、固定資産税の納税義務を負う可能性があります。
実際、市区町村の中には、このような運用で固定資産税の納税を求めるところもあります。
他方、市区町村の中では、たとえ1月1日までに相続放棄が完了していない場合であっても、固定資産税の納税までは求めないところもあります。
そのため、実際に相続放棄を行う場合は、市区町村との調整が必要になるため、事前に相続放棄に詳しい専門家にご相談されることをおすすめします。
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